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■ 三菱 F-2A■

Mitsubishi F-2A

三菱 F-2 支援戦闘機は、航空自衛隊の支援戦闘機 F-1 の後継機として開発された機体で、当初は純国産で進められる計画でしたが、結局は米国のジェネラル・ダイナミックス(現ロッキード・マーチン)製 F-16C/D 戦闘機を原型として改造された機体です。

1992年に機体のモックアップが公開、その後1995年に1号機がロールアウト、初飛行が行なわれ、4機の機体によって開発試験が行なわれました。

支援戦闘機としての要求仕様を満たすため、F-16 から変更された点は、搭載量と航続距離を延ばすための主翼の形状変更・胴体の延長、ディープストールを考慮した水平尾翼の増積、アクティブ・フェーズド・アレイ・レーダーの装備、IEWS(統合電子戦システム)を始めとする先進的な ECM/ECCM システムの装備、制動用ドラッグシュートの装備などです。

これらの変更によって F-16 と比較して自重は 25%増加、最大離陸重量は 30%増加、機外搭載量は 50%も増えることになり、F-16 と酷似した外形ながらも性能的にはまったく別の機体になっています。

量産型の F-2A は2000年の10月に三沢基地の第3飛行隊に配備が開始され、航空自衛隊には少なくとも100機弱の F-2 が配備されることになっています。


F-2A 01 & 02

開発試験に供された F-2A の1号機(画像下)と2号機(画像上)。1号機では主として飛行性能や飛行特性、フラッター等の試験を行ない、2号機では飛行特性の他に飛行荷重や任務適合性、電子戦等の試験が割り当てられました。

この他、3号機と4号機は F-2 の B 型で、こちらでは高迎角や射爆撃等の試験が行なわれ、これら4機による技術実用試験は合計 1170 ソーティに及びました。


ASM Carrier

スピンテスト用の ASM-2 対艦ミサイル4発を搭載した F-2A の1号機。F-2 に要求された仕様の一つは 4発の空対艦ミサイルを搭載して 450NM 以上の戦闘行動半径を持つ事で、この点を考慮して F-16 から主翼形状が改められています。

また、F-2 の火器管制レーダーには国産のアクティブ・フェーズド・アレイ・レーダーが搭載されており、この方式のレーダーの搭載は世界に例がなく(米国の F-22 が搭載する予定)、F-2 の目玉のひとつになっています。

このレーダーは通常のアンテナ走査よりも高速な電子ビームによる走査を行なうため、対地・対艦攻撃時にも、地表を捜索しながら空中の監視を同時に行なうことができるという特長を持っています。

それにしてもこの ASM-2、プラモでの塗装では苦労させられます。CG ではどうという事もないのに。


Fight's on Ready!

F-15 との DACT(異機種間戦闘訓練)を行なう F-2。初めて F-16 戦闘機のデモフライトを新田原基地祭で見た時、印象に残ったのが、あのストレーキから発生するヴェイパー。

自分の頭の上を駈け抜けていった F-16 が機体を引き起こして、その背中が見えた時、機首の両側面から V の字を描いて白く伸びるヴェイパーが見えたのですが、それはさながら F-16 が白いマフラーでもまとっているかのように見えて、とても感動したものです。

F-2 でも同じようなヴェイパーが発生しますが、このヴェイパーのおかげで、F-2/F-16 のデモフライトは他の機体よりも見栄えがいいような気もします(笑)。

翼端にミサイルを搭載している場合は、翼端からのヴェイパーは発生しにくくなるものですが、今回の CG ではあえてヴェイパーをつけてます。


Seeking in The Stratosphere

空対空ミサイル AAM-3 と AIM-7 をフル装備。今となっては、AIM-7 もだいぶ古い世代のミサイルになってきましたね。本家の米軍では AIM-120 を装備していますし、新世代の中射程ミサイルも開発されつつあります。

自衛隊ではミサイルに関してはだいぶ国産化が進んでいますが、米軍とは違って実戦データが無いのが玉に傷でしょうか。まあ、実戦で発射されることがないのが一番ではありますが…。


Winged Archer

こちらは AAM-4(主翼下の内側よりに搭載されているミサイル)および AAM-5 (翼端と主翼下)と、国産ミサイル尽くし。AAM-4 は1985年から開発が始まった、撃ち放しが可能なアクティブ・レーダー誘導方式のミサイル。

AAM-5 は現在 AAM-3 の後継として開発中のミサイル。F-2 の武装も将来的にはこのようになるのではないかと思います。

ちなみに F-2 には「Viper-Zero」という愛称があります。「Viper」は原型となった F-16 の愛称で、「Zero」はもちろん旧日本海軍の名機、零式艦上戦闘機の名。

一方、アメちゃんからは「FakeFalcon(偽ファルコン)」と揶揄されておりますが…(^ ^;)。


Enhanced Sight

インテイク右後方に FLIR ポッドを搭載。ちょうど F-2 をモデリングしていたとき、Jウィングに FLIR ポッドを搭載した F-2 の4号機の写真が載っていたので、作ってみました。

作った FLIR ポッドをよく見ると、実物に比べていくぶん細長いですなぁ。 図面や正確な寸法の分からない物を作るときは、かなり観察力が要求されます。


Warriors of JASDF

今回 F-2 が加わったことで、複座型等の派生型を除くすべての現役空自戦闘機がそろいました。

こうしてみると空自の戦闘機も意外とバラエティ豊かです。しかしマルチロール化が主流の昨今では、この機種数は減っていくかもしれませんね。

でも戦闘機の開発には時間がかかりますから、これに新しい顔ぶれが加わるのは何十年先やら…


Viper-Zero4.0

こちらはちょっとしたお遊び。フライトシムのファンの人なら元ネタはすぐ分かるでしょう(笑)。

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